2016年01月21日

降り続く雪の中で

今日の大寒を前にして18日から日本全国が大雪に見舞われた。

真夜中から降り始めて午前3時には既に真っ白。
思わず家を飛び出して雪の上を歩いた。
わずかな街灯の下、全てが白の世界、それが何ともいい!
 
真夜中、誰もまだ歩いていない未踏の雪原を歩く。
それが道路であっても、その上を踏みしめて歩く時は
訳もなくとにかく心がときめき、弾んで嬉しくなってしまうのである。
夜もすがら大きな池の周りを何度も何度も巡りながら・・・
たっぷりとたっぷりと雪味を楽しむ。

音もなくしんしんと降り続くのである。
仰げば、遥かな虚空、天空からふわり
静かに静かに舞い踊りながら落ちてくる。

見ていると吸い込まれそうな不思議な感覚に包まれる。
深い神秘の世界に引き込まれてしまう。
誰もいない静寂の闇の中。

P1141039.JPG

枯草も常緑樹も赤い屋根も何もかも
一切を白に、白銀の世界にひたすら染め抜いていく。
どんな汚れやアンバランスも全てを包み込む。
ただそれだけなのに・・・ 
ただそれだけで、全てを別次元の美の世界へ
清浄なる世界へと昇華させてしまう。
雪、それは地上を清めに来た天来の使者、静寂の司祭。

ただの自然現象なのだと言い切るのは
余りにも不遜過ぎではと、何かそう思えるほどに
ハッとするほど美しく感動的でさえある、その雪化粧。

どんな天才画家もこの全地上を白だけで塗り包む
この技法までは、きっと思いつかなかったことだろう。

至高の芸術家の妙技、神秘の自然、まさに神業である。


posted by GMM at 20:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

春の七草 七草がゆ

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
これぞ七草。 幼いころ懸命に暗記した春の七草の名前である。

この正月7日には、我が家でも薄い塩味の七草がゆを作り、やや酷使続きの
疲れた胃を少々休養させたばかりである。
勿論材料は昨今、近所のスーパーでも売り出している7種類のセットもので。

この七草がゆは遠い平安の御代から続いているらしく、庶民では江戸時代に
一般化したとも、一年の無病息災を願う正月ならではの行事だったようである。

物好きには違いないが、7、8年ほど前の年が明けて間もなくのこと、ふと
思い立って近所の畑や草地等で、この七草を実際に探してみたことがあった。
ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、スズナはカブ、スズシロとは
ダイコンのこと。

P1082217.JPG
      これは七草ではありませんが…

しかしこの7種のうち、とうとうセリだけは最後まで見つけることが出来
なかった。そして何となく無念さが残るまま見上げた夕方の空には、西から
東へ向かう金色の飛行機雲が、くっきりと鮮やかな線を描いていたことを
不思議に今でもはっきりと覚えている。セリ せり 芹 清流 湿地・・・
春の七草、七草がゆと聞くといつも思い出す。妙な想い出である。

猿年の今年一年も昨年同様よろしくお願い致します。

posted by GMM at 16:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする