2016年04月28日

散る桜

桜といえばソメイヨシノというのが相場ですが、ソメイヨシノが散った後も山桜や里桜が花を咲かせています。葉が出る前に一斉に花を咲かせるソメイヨシノもいいのですが、新緑の中にピンクの花が映える山桜や里桜もまたいいものです。

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「散る桜 残る桜も 散る桜」

良寛和尚の辞世の句とされています。

葬儀で故人を見送る私たちも、必ず見送られるときが来ます。人は必ず亡くなるということを、これほど端的に表現した句はなかなかないのではないでしょうか。

ところで、ソメイヨシノは一斉に散るため「散る桜」というイメージはあっても、「残る桜」というイメージはあまりありません。

ソメイヨシノは江戸時代に江戸郊外の染井村(今の豊島区駒込)で作出され、明治以降に広がった園芸種ですから、良寛さんの「散る桜」「残る桜」は、ソメイヨシノではなく山桜や里桜だったようです。

ソメイヨシノがハラハラと花びらを散らすのに対して、山桜や里桜は花のままポトッと落ちる感じです。ソメイヨシノの「儚い」という印象とはずいぶん違います。

「残る桜も散る桜」近所の里桜を見ながら、改めて味わってみようと思います。


posted by 管理人 at 15:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月04日

ボケの花

「こちらは防災○○です。○○警察からお知らせいたします。
昨日の夕方から△△さんが行方不明になっています。特徴は・・・」
今日も繰り返し流れている地元の防災無線放送である。

何年か前、知人の母親が行方不明になり、たくさんの友人にも声を
かけて一緒に何時間もあちこち走り回ったことを思い出す。

1972年の有吉佐和子さんの長編小説「恍惚の人」が映画化、テレビ
ドラマ化されてからももう久しい。ベストセラーにまでなった
あの問題提起は、見事なまでに今日の様を予言していたようにも思える。
あれから確実に増加の一途、今は予備軍を含めると高齢者の4人に
1人の割合になろうという厚生労働省。ボケ老人の話である。

ボケの花言葉は「平凡」「早熟」「先駆者」
平凡に生きた者も、早熟で神童や天才として生きた者も
未知の世界、認知症や恍惚の世界の中にあっては
みんなが等しくその道の先駆者として生きよ。
これらの花言葉は、まるでそんな神託のような意味でも含んでいる
のかと、つい思ってしまうほど。

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満開の桜の木の下で今日もボケの花は見事に咲き誇っている。
これからが一層ボケ老人の季節。
しかしボケの花、これで結構明るいのである。
せめて人と人、温かい心と心の交流が出来たらと切に願うところである。
posted by GMM at 18:20| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする