若いころは人並みに、下手な声を張り上げてこの歌詞を口ずさんだものである。
13日だったかアメリカのボブ・ディラン氏にノーベル文学賞を授与することになったと
スウェーデン・アカデミーが発表した。
音楽家としての文学賞受賞者は史上初めてとのことのようである。
十数年も前からノーベル賞の候補者に彼を推薦し続けてきた人もいる。
彼の受賞を喜んでいる周囲の人達は多いと聞く。
また同じ文学賞の候補に名を連ねている作家でありながらも、彼の作品と今回の受賞を
絶賛して共に喜びを公表する人もいる。
同じ作家でも「あれは文学ではない、文学を侮辱された」と怒り心頭の表明をする作家達もある。
広い世界の人々の反応は様々、まさに百人百様なのかもしれない。

しかし、彼が受賞を迷惑がっているのならともかく、感謝して喜んでいるのであれば
共にそれを心から喜んであげたいものである。
人の成功を心から喜べる人、周囲の人と悲しみを共有できる人。
いつも人を悲しく送り続けてきたからなのであろうか。
いくつになっても、どこにいても、やはりそんな人でありたいと心からそう願うものである。
さかしまに歳月ゆかなボブ・ディラン 聴き呆けてた俺とは何だ
島田修三 歌集「晴朗悲歌集」より